「わかりやすい表現をする」ために心がけている3つのこと

~社会人になってから最初にぶつかった壁~

私が社会人になってから最初にぶつかった壁は、「わかりやすい表現をする」というものでした。

社会人になるまでの学生時代には、表現には「正解」があり、その表現に対して求められることは「正解と同じかどうか」でした。なお、ここで言う表現とは、テストの回答や、授業での発言などを指しています。

しかし社会人になってからは、表現(例えば、報告・連絡・相談など)に「正解」がほとんど無くなりました。そして、表現に対して求められることは「正解と同じかどうか」ではなく、「その表現した内容を相手が理解したかどうか」となりました。

相手に理解してもらうためには、「わかりやすい表現をする」ことが重要です。社会人になってから約2年間、「わかりやすい表現」をするためにいろいろと試行錯誤してきましたが、ここで一度、「わかりやすい表現をする」ために現時点で心がけていることをまとめてみようと思います。


~わかりやすい表現をするために心がけていること~

私が現在、「わかりやすい表現をする」ために心がけていることは、下記の3つです。
 1. 事前にストーリーを作る(表現するそれぞれの内容の関係を明示する)
 2. 具体的に表現する
 3. 適切な手段で表現する

以下に、それぞれについて詳しく記載していきます。

1. 事前にストーリーを作る(表現するそれぞれの内容の関係を明示する)

ストーリーを作るとは、表現の一連の流れを作るということです。

表現の一連の流れを作る際には、例えば、「最終的に相手に表現したい内容(以下、結論主張)は何か?」、「その主張の説得力を高めるために、どのような根拠や別の主張(以下、補足主張)が必要か?」といったことを考えます。また、文章と文章をどのような「接続詞」で繋ぐかについても検討します。

ここで、具体的なストーリーの事例について、下記のサイトより内容を一部引用させて頂きながらまとめてみます。
『MAKERS』のクリス・アンダーソンらが来日講演で語った「未来の製造業」【WIRED CONFERENCE 2012レポ】

まず、結論主張を、

(コンピュータとインターネットが普及したことで、)製造業が、大企業から個人の手に渡った

とします。この主張の説得力を高めるためには、どのような根拠や補足主張をどのような順番で表現すればよいでしょうか?
この表現にはもちろん正解はありません。当サイトの内容を踏まえて、私なりに組み立てたストーリーを下記に記載しておきます。

これまでの製造業は、大企業の特権だった【補足主張】

なぜなら、製造業で利益を出すためには、「大きな工場」と「設計・開発の専門技術を持つ人材」と「流通インフラ」が必要であり【補足主張の根拠1】、これらを揃えることは多くの経営資源を保有している大企業しか出来なかったから【補足主張の根拠2】。

しかし、コンピュータとインターネットが普及したことで、製造業が、大企業から個人の手に渡った【結論主張】

なぜなら、コンピュータとインターネットが普及したことで、以下の3つの条件が揃ったから。
1つ目の条件は、3Dプリンタやレーザーカッターのようなデジタル工作機械がデスクトップに置かれるようになり、専門知識を持たない人たちでもモノをデザインできるようになったこと。
2つ目の条件は、デザインされたアイデアをオンラインのコミュニティで公開しながら、世界中の仲間と共創できるようになったこと。
3つ目の条件は、世界中にある製造ソーシング会社をネット経由で利用すれば、アイデアをクリック一つで低価格・小ロット生産することができるようになったこと【結論主張の根拠】。

2. 具体的に表現する

具体的に表現する目的には、「(表現を受け取る側の)誤解を防ぐ」ことや、「(表現を受け取る側が)内容を理解するための基礎知識を補う」ことなどがあります。

例えば、上記の【結論主張の根拠】で記載した「デジタル工作機械」という表現について。もしこの表現のみが記載されていて、「3Dプリンタやレーザーカッターのような」といった表現がなかった場合、「デジタル工作機械ってどんなもの?」って感じてしまうのではないでしょうか。また、「オンラインのコミュニティ」という表現についても、「コミュニティ」のみ記載していた場合、どんなコミュニティのことを指しているのかわからないかと思います。

3. 適切な手段で表現する

最後は、「適切な手段で表現する」です。表現手段には、「文章」、「図や写真」、「実物」などがあります。

例えば、「3Dプリンタ」を知らない人に対して、「3Dプリンタ」とはどのような形や大きさをしていて、「3Dプリンタ」を使うとどのようなことができるのかについて説明する場合を想定します。まず文章で表現する場合についてです。wikipediaでは下記のように書いてありました。

通常の紙に平面的に印刷するプリンターに対して、3D CAD、3D CGデータを元に立体(3次元のオブジェクト)を造形するデバイスを指す

個人的は少し理解しにくかったです。また、商品カタログに載っているような「写真」を見ても、「3Dプリンタ」がどのように動くのかはわかりにくいかと思います。
この場合、一番わかりやすいのは、実物を見せることや下記のような動画を相手に見せることではないでしょうか。
〔3Dプリンター紹介ビデオ http://youtu.be/njF570cgd_M


~今後は、わかりやすく、かつ○○な表現を目指す~

今後、仕事上で報告・連絡・相談などを行う際に、「わかりやすい表現をする」以外にもう1点気をつけていきたいことがあります。それは、「短時間で表現する」ことです。「1時間かけて相手に報告していたことを、30分で報告できるようにするためにどうすればよいのか」といったことを、今後は考えていきたいと思います。


補足

当記事の最初の方で、

社会人になるまでの学生時代には、表現には「正解」があり、その表現に対して求められることは「正解と同じかどうか」でした

と書きました。今思うと、「正解のない表現」を学生時代にもっと行なっておくべきでした。そして、その表現に対して指導者の方々からフィードバック(「わかりやすかった」、「わかりにくかった」など)をもらう機会が頻繁にあったら良かったです。そのような教育が日本で盛んに行われるとよいなと個人的に思います。